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ミンナノユメ

日曜日の午前中。伯母に母を任せて、うさこの骨を埋めるため大文字山に登った。数日前から母にどのように埋めるのかと何かの話のたびに聞かれた。そのまま埋めると言ったらそれが不満なのか、自分だったら箱にいれてこうすると言い始めた。そうですか、と思う。erieが飼い主なのだから母に指図されたくない。どうしてerieたちを支配しようとするのか。出かける寸前までしつこく言っていたので返事も曖昧にした。そういうの、うんざりする。妹と自転車で向かう途中、何度か買ったことのある花屋(苗屋?)に寄る。街中で偶然会っても挨拶し合うほどの顔見知りになった店主に、大文字山に植えても生態系に問題ない苗はどれですか?と聞くと、大文字山に植えるのですか?と逆に質問された。ペットが亡くなったのでと答えると、うさちゃん死んじゃったの!と驚かれ、このへんの人たちはみんな大文字山に埋めるみたいですよ、そういえばあそこの熱帯魚屋さんも1月くらいにうさちゃんを埋めに行くと言ってましたよ、という話をされた。あの高齢うさぎさんも亡くなったのか、としょんぼりしてしまった。もう10歳以上の高齢うさぎさんで、うさこの餌を買いに行った際に眺めては互いのうさぎ話をして長居していたものだった。うさこが亡くなってすぐ挨拶に行ったら、ちょうど定休日でそのままになっていた。帰りに寄ってみることにした。寒さにも強くてどんどん広がるらしい鮮やかなピンクの花をつける苗をひとつ買った。これから花が咲くし、どこにでも咲いてるからいちばんいいということだった。観光客で賑わう銀閣寺脇を抜けて道を進む。持ってきた空のペットボトルに湧き水を汲んで山を登る。簡単なハイキング程度の山道なのでしゃべりながららくらく歩いた。山頂に到着すると唐突に京都市が足元に開ける。陽の光がやわらかくあたたかい。だけど、風はまだつめたいので汗を含んだ服がひんやりと肌に触る。久しぶりに晴れた週末だからか座る場所を探さなきゃいけないくらいに登山者が多い。少し上の方に登り、道を外れた桜とツツジの木の側に小さく穴を掘った。骨壷を開け、頭蓋骨を手に取って妹に差し出した。歯もちゃんと残ってるね、と言った妹は震える声でそうやさしく呟いた。ささやかな穴の中に骨壷の骨を置いて一番上に頭蓋骨を乗せた。また会おうね、と言ってふたりで軽く土をかけてからその上に買ってきた苗を植えた。きれいに土をかけたその時太陽を隠していた雲がきれ、光がぐわりと射した。突然の直射日光に目が眩むほどだ。そこはちょうど丈の低い木に囲まれた場所だったからちゃんと陽は当たるかな、と心配して言っていた最中だったので、眩しく射す陽の光にふたりで安心した。久しぶりにイタリア料理ビリキーノでランチ2000yen(前菜+メインとパンのみ。コーヒーはセットに含まれなくなっていた)をして、熱帯魚屋へ挨拶しに行った。驚かれた様子だったけど、うさぎで8年も生きるのは長生きですよ、と言われた。気が済むまで店主とうさぎ話をして自転車でのんびり帰宅した。既に伯母は帰ったあとで、母はひとりで高校野球を見ていた。
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時を掴む

母とイエスマンを観る。母はしつこくマーリーを観たいと言っていた。人の気持ちを考えない人だとつくづく思った。あとどれくらい生きられるかわからないからと何かしらにつけて言い、自分の思い通りにしようとする。まるで死ぬ死ぬ詐欺だ。erieだって交通事故で今日にでもぽっくり死ぬかもしれない、死の訪れなんてわからないものだというのに。映画は、ジム・キャリーなので相変わらず下品なのだが、テーマはなかなか皮肉で面白くてげらげら笑った。発信する側と受け取る側の温度差というか、信念が一人歩きしている状態ってこわい。自分を常に客観視できるようにいたいものだと思った。土曜日、昼過ぎから区内のジムへ行く。お試し料金で1575yen。お風呂温泉らしかったが、よくわからなかった。それほど大きなジムではなかったが、休日なのに人が少ないのでよさそうではあった。ただ、料金システムの種類が少なく値段も高め。去年通ったコナミスポーツだと法人会員が使えたので終日会員でも6000yenほどだった。これは悩むところだ。夕方から社内の送別会へ行く。いつものインド料理ケララ。ここはほんとうに美味しい。海外からのお客が多いようで常に満席だった。3人でワイン2本空けた。erieはふらふらである。上司に心配されながら、黒いワンピースをはためかせ自転車でゆらゆら帰った。途中喉が渇いたので自動販売機でジュースを買い、ぐびぐび飲んでしばらく酔いを醒ました。なんとなく、母とこころの距離を置いている自分がいる。無意識なのだけど、いいのだろうかと通り過ぎる車を眺めながら考えてみた。

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ひとつの不幸でもひとつの愉しみ

沖縄料理店あーぐうるで梅酒をたらふくいただく。この店の料理は(味が)パッとしないのだが、酒が豊富だからかいつきても客が多い。同じ事務所にいる親会社の女性と取引先の女性と3人でたくさん梅酒をいただく。互いの社内の話で盛り上がる。不景気につきerieの会社も今週から週休3日になった。つまり明日から3連休になる。そして、みんなに羨ましがられる。給料は下がるが(月4日も休みが増えると大きい)今は休みたい。もし会社が潰れたら、世界旅行にでかけようと考えている。今とくにペルーに行きたくて行きたくて、地図を見ては溜息。ついでに(遠いけど)もう一度マドレーヌ島にも行きたい。今もいるのかわからないけどセバスチャンの店に行きたいのだ。今度はモントリオールからフェリーを使おうとCTMAのHPを見てひとり妄想する。
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未来の星

就業後、Nと烏丸御池で待ち合わせ。のはずが、迷子のNを大丸の東洞院通出口まで迎えに行くことに。三条通りまで歩くもののここは!と思ったレストランが貸切だったり満員だったり定休日だったりでうろうろ1時間ほど歩き回る。飲食に携わる仕事をしているNも「食」にはうるさいのだ。美味しいものの為!お互いこんな店探しも苦にならない。以前会社の会食会で使ったイタリアンレストランの前を通りかかる。こじんまりした店でひとつひとつが量もたっぷりで美味しかった(特に前菜が)のを覚えていた。そう教えるとここにしようとN。でも今日の所持金2500yenなんだけどと言うと、誕生日お祝いにご馳走してあげると嬉しいひとことが。って2ヶ月も過ぎてるんですけどとげらげら笑いながら入店。サラリーマンの先客が1組。窓際の席に座り、メニューを見てすぐに、たくさんあると選べないからコースにしようと言いだすN。オーダが終わった後、お誕生日おめでとう遅くなったけど!とAnother Editionの紙袋を渡される。ほんとうに遅いお祝い、とまた笑う。メッセージカードに泣きそうになる。白と黒のチェック柄コットン素材の大判ストール。これからの季節にぴったりで欲しいと思っていたのでますます嬉しくてテンションあがる。Nは白ワイン、erieはチンザノロッソをロックでいただく。空腹にきゅっと沁み入る。お料理の前に小さいカタツムリみたいなフォカッチャにパルメザンチーズとオリーブオイルがかけられたもの(なんていうのだろうか?)が運ばれてきた。これが美味しく、前菜を待つ間、この皿に残ったソースをパンに付けてわしわしいただいた。それ程待つことなくコースがスタート。前菜に添えられた温サラダがうれしい。erieはフォアグラのテリーヌ、Nはまぐろのなんとか。お互いにシェアしたのだけど、Nの皿を見て、黄色いまぐろなんてあるんだ?と聞いたら、これは黄色いパプリカで、その中にまぐろが入ってるよ。と真面目に答えるN。どう考えても「黄色いまぐろ」なんておかしい。考えずに思ったことを口に出したerieもアホ丸出しだが、突っ込むことなく答えるNもおもしろい。と小さいレストランでげらげら笑う。どれも美味しく、料理のタイミングも絶妙である。見てないようで見てる。程よく放置な感じ。サービスマンの距離感がよかった。やたら愛想のいい笑顔をする人とかしゃっきしゃっき動作の人とかにいかにもという接客をされると、笑顔のお返しをすることが鬱陶しいから。じっくりと向き合って話をしたい相手との食事は、こういう店がいい。グラスが空いても、お替りを聞いたりしない。黙って水を持ってきてくれる。欲しかったら客自ら声かけるだろうになんでわざわざ聞いてくるのかと前々から思っていた。聞かれるその度に話が中断させられるのがとんでもなく嫌なのだ。この我儘は話が夢中になる相手に限ってのときだけだが。メインをいただくころにはNはお腹いっぱいとのことでerieがNのデザートを平らげる。前菜とメインを選べて、パスタが2種類ついて(この日はパスタとリゾットだった)、デザートとコーヒーが付いて4400yen。これはお得だった。前菜からもりもりボリュームで、最後のデザートはとどめの盛り合わせだった。これにはNは満腹限界だったようでerie食べてと言って皿をerieの前に寄せたので、ひとりで2皿もいただいてしまった。食後のエスプレッソが美味しくて、Nは自分の職場のものより美味しいと言い、喜んでいた。うさこの話、読んでいる小説の話、これからのこと、いろいろ話して9時半。気が付けば満席になっていた。Nもここの接客が心地いいわと満足気だったので安心した。Nは同業者だからか料理だけでなく接客にもたいへん厳しい(我慢できないときは注意したり当たり前)。erieは1000yen支払い、スターバックスへ場所を移す。ここでは残金1000yenでNにソイラテを奢る。話が尽きずあっという間に11時過ぎ。烏丸駅まで見送って帰宅した。夜風が冷たくて、また春が遠ざかった気がした。
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距離の問題ではない。

先週末、思い立って髪を切った。いきつけの美容院まで行くのが面倒だったので、近所にある外観が可愛らしい美容院に入ったのだけど失敗。ショップでも店員に話かけられるのを苦手とするerieなので、飛び込みで入った美容院での世間話なんて!それに、シャンプーの時には頭皮の汚れを落とす効果のあるなんとか(ほとんど聞いてない)を勧められたり、使っているシャンプーやトリートメントのメーカーを聞かれたり、勧誘と質問攻めで夢の洗髪タイムで眠れない。あの心地よさに身を委ねたいのに!!たいていの美容院では、返事をしたりしなかったりしていると(しかも小声)諦めるものだかこの人は違っていた。恐るべし新人。担当の美容師は口数少なくよかったのだけど、技術がああぁ!注文以上に短く切られている。しかもポリシーである「重た目」が軽い仕上がりに!!涙。鏡越しに笑顔でいかがですかと聞かれても、そこで不満を言う勇気がない小心者。あの行きつけの美容院以外絶対行かないと誓った。アロマスクールに通うTからマッサージとネイルのモデルを依頼されたので無料に釣られて受けに行った。中崎町にそびえるマンションの一室最近のセキュリティはすごい。エレベータも承認制なためただ乗って押すだけでは動いてくれないのだ。生きているようなマンションに感動。アロマオイルをブレンドしてそれで顔をマッサージ。極楽極楽。ネイルも薄いパールピンクをベースにして、薄ピンクと薄紫の小花を散らして描いてもらった。大満足。誘ってくれたTの感謝である。学生時代に父親を癌で亡くし、母親と二人暮らしのT。その母親も昨年2度目の癌手術をしている。だからerieの気持ちを理解してくれ、今回は息抜きにと誘ってくれたのだった。スクールを出た後、近くのタイレストランで飲みながらそんな話を聞いた。
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夢でもいいから、会いに来て

昨日の朝。夢の中でうさこに、寂しいけど泣かないで、また会えること知っているでしょう、と慰められた。そんな夢で目が覚めた。そして今日、明け方トイレに起きた。夢現ぼんやりしていると、ドアの向こうから、うさこがペレットを食べるときに立てる音がした。意識がいっぺんに醒めた。まさかと思い、よーく耳を澄ませて聞き入る。やっぱり聞こえる。ペレットが陶器のエサ入れに当たるときの音だ。確信してそっとドアを開けて、今もそのままにしてある小屋とエサ入れを見る。すると音は消えてしまった。ありがちな話通りだけど、こういうときはやっぱり消えてしまうのだな。しゃがんでペレットをすくってエサ入れに落としてみる。リンリンリンと鈴の音に似た高い音がたつ。同じ音だ。帰ってきてくれたんだと嬉しくなってカレンダーを見た。そうか、初七日だった。嬉しくて妹にメールすると、私はうさこの夢を見たよと返信が来た。ちゃんと会いに来てくれたのだ。まだまだ環境に慣れないけど、そしてもう触れることができないけど、ちゃんといてくれるのかもしれない。
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深い後悔と自責の念

定期健診。有休をとって、母に付き添い病院へ行く。1月の結果と比較すると、肺の癌細胞は半分ほどにまでちいさくなっていた。点滴をしている間、旅行に来ていた母の友人を駅まで迎えに行き、昼ご飯を3人で一緒に食べに行くことになった。母は自分の病状について親族以外に知らせていなかったので、この友人も母が京都へ来た後に事情を知ったらしい。それで、薬局で薬を待っている間、これまでのことを母が説明していたのだけど...。どうして強がるのだろう。「死」に対する恐怖心は当然で、それは人間の「弱さ」でも何でもないことなのに。最初から癌であることを受け入れていた、だとか、風邪でも引いたかのように話す母。嘘つきと思う。自分に対しての大嘘である。自分の感情を閉じ込めて受け入れないでいるとそのねじれは徐々におかしな方向へとつながっていくものだ。それに、と思う。それに、あんなに祖父母や弟やerie、そして、京都に来てからはうさこにまで八つ当たりしていたくせに。妹は元気だったうさこの具合が急に悪くなったのは、うさこが粗相をする度に、母が感情的に怒鳴っていたからじゃないかと言っていた。それはわからないけれど、だけどうさこからしたら母は突然の来客者であり、その知らない人間から怒られていたのは可哀相だったなと思う。そのことを考えると、申し訳なさに涙が出てくる。これは飼い主であるerieの責任である。そんなことを思っていたら、隣から聞こえてくる母の声すらも聞いていられなくて、先に帰るから二人で食事してきたらと提案する。ちょうどランチタイムも終わる2時が近づいていたこともあって、言い出すタイミングにはちょうどよかった。母たちが出て行った後、薬局のソファにひとり残ったerieは、この後何をして過ごそうかと考える。どこかのカフェでランチでもしようか、あれこれ考えてみるものの何も思い浮かばない。薬を受け取って、地下鉄に向かって歩く。路地に蕎麦屋の看板が出ているのが見える。こんな場所に、と思って路地を曲がると昔の長屋に暖簾がかかった店がある。何も考えず店に入ると2階に案内される。小さな丸太のテーブルがいくつか配置された店内に先客はいない。真ん中に陣取り注文する。そして、人の気配のない、初めて訪れたその空間で食後の計画を立てようとする。でもなぜだか突然家に帰ろうとこころが決まる。その瞬間からさっきまでもたついていたこころの何かが晴れ、今度は無性に家に帰りたくなってきた。温かいつけ蕎麦は醤油が濃い目のダシに刻んだネギとわさびだけがついたシンプルなもの。麺はザラついた舌触りの太目で食べ応えがあって美味しかった。地下鉄に乗り、帰宅する。うさこがいなくなって誰もいない自分の部屋に帰るのは初めてだったから、その現実にまた泣いてしまうのではないかと、すこしどきどきして玄関のドアを開けたのだけど、大丈夫だった。ひんやりした一人の部屋。海底にさまよっているみたいな気持ちになった。
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毎朝君に会いたくて遠回りしていた日々

Sと京都駅で待ち合わせして、バスで天橋立に行く。旅行会社で働く妹が誕生日プレゼントとして招待してくれたのだ。近づくにつれ天気が怪しくなり、到着するとみぞれ混じりの雨になった。橋立ベイホテルビジネスホテルぽかったけど、新しくて清潔で最上階(といってもちいさいホテルなので6階だけど)のデラックスツインの素敵な部屋だった。フランス料理のコースもアップグレード、ケーキとドリンクをサービスしていただいて、メインのお魚がとても美味しかった。魚が美味しい地域というのはほんとうに羨ましいと思う。海があって山もある場所でのんびり暮らしたいものだ。いや、今でものんびりしてはいるか。Sにうさこのことを聞かれる。でももう涙はでなくて淡々と話をしていたら、逆にSが泣いてくれていた。シャンパンでほろ酔いになり、部屋に戻りベッドに入って話をする。ライトを落としたらそのまま記憶がなくなってしまった。多分10時半には眠ってしまったと思う。目が覚めたら8時。重い瞼でカーテンの向こう側が明るくなっているのを眺めながら、Sが目を覚ますのを待った。久しぶりに眠って、頭はすっきりしているのだけどやたら瞼が重い。朝食もホテルでよくあるビュッフェスタイルなのだけど、ひとつひとつが丁寧に作られ、上品な感じがして、やっぱり美味しかった。ケーブルカーに乗って山頂へ行く。天橋立を一望する。天気もよくなり気持ちがいい。さらさら流れる風が心地よく、ちゃんと生きなきゃなとなんとなく思った。浜を歩く。3キロほどあるのだそうだ。のんびり歩いて犬を連れる人とすれ違う。海鳥や海月を見つける。無意識に生き物に視線が行ってしまう。数件の食堂を見て回って、どこも観光客で溢れる。Sがアサリ丼を食べてみたいと言うので古ぼけた定食屋にはいる。古い古民家を改装しているその店は雰囲気よく心地よかった。erieはアサリ雑炊に単品で焼き魚(アジ)をオーダー。魚はやはり美味しかった。お土産に和菓子(赤福に似ている)を買い電車で帰る。切符の買い方がわからずそのへんは適当に。でも車掌がまわってきてチェックしていたので誤って買うと損してたかもと思った。大阪へ帰るSとは途中で違う電車になりホームで別れる。旅はこういうささやかな別れが切ないと電車でひとり揺られながら思う。とはいえ、Sとはしょっちゅう会うのだけど。帰宅すると母は昼(夕)寝中で、外出していた妹からメールが来て、ベリーベリーカフェでお茶しようと誘われる。いつものようにライオンコーヒーとクッキーをいただく。妹とたくさん話をしながら感じた。やっぱり妹と旅をすることになりそうだ、と。
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存在のすべてが光のように奇跡的で

夢を見た。座っているうさこの身体にぽつぽつと血が斑点のように滲んでくる。びっくりして、血がでてるよ!と言うと、もう苦しいの...と弱弱しく答えるうさこ。今まで気が付かなかったけど、ずっと苦しんでいたのかな...と思っていると、突然、大きくぴょんと跳ねて向こうへ駆けていく。座っていたその場所に腎臓が落ちている。更に驚いて、腎臓が落ちたよ!と言うと、それが悪かったからね。でももういらない...というようなことを言って視界から外れる。そんな夢だった。身支度をしている間、母がコーヒーを淹れてくれた。熊本へ日帰り出張だったので、6時前に電車を乗り継いで伊丹空港へ向かった。大阪に入ると雨が降っていた。モノレールから雨の街を眺めていると、気持ちが静かになる。雨のほうが今の気分に合う気がした。最初の予定では、木曜朝から1泊の出張だった。だが、水曜の午前中、突然先方の予定が変わり金曜に日帰りすればいいことになった。不思議なものだ。当初の予定のままだったら、うさこの火葬に立ち会えなかったから。精神的にも仕事どころではなかっただろうし。そう紐解いて振り返り考えると、水曜日うさこが月に帰った夜も、実は親友と食事に出かける約束をしていた。だが親友に急な仕事が入り都合がつかなくなったとメールが来たので、うさこを病院へ早く迎えに行くことができた。最後の時間を長く一緒に過ごすことができたのだった。それに、もし親友に会っていたら、あの時間(11時30分)には帰宅しなかっただろうし、うさこを看取ることはできなかっだろうと思う。ちゃんと準備されていたのだろうなと思う。熊本で仕事をして夕方の便で帰る。玄関を開けたときの慣れない空気に戸惑う。あんな小さな体でも生きている感触は空気に生を吹き込んでいたのだ。普段はerieが夕飯の片付けをするのだけど、気を使ってか母がやってくれる。母も子供たちが家を出て子育てがひと段落し、ひとり暮らしをするようになった時、しばらく無気力な状態が続いたのだと言う。長女であるerieは家を出た後の出来事を(当たり前だが)知らない。だから、その話を聞いて、新しい母を発見した気がした。遅い時間に妹が来た。今朝の夢の話をしたら、妹もうさこの夢を見たのだと言う。また骨壷を抱いて眠る。
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白い世界にとり残されて動けない

ほとんど眠れないまま朝9時。妹は早朝に仕事へ出たので、母とふたりで、北白川ペット霊園へタクシーで行く。そこで丁寧に綺麗にお別れの式をしていただいた。待ち時間に獣医に連絡をし今までのお礼を伝えた。腎不全だと痙攣が起こるので息をひきとる間際の激しい震えも、それが原因ではないかということだった。長生きしたのだけど、やっぱり病死ではなく老衰にしてあげたかった(おかしな日本語だけれども)。持参した花と好物に囲まれて横たわるうさこの額にキスをして、ほんとうの最後のお別れをした。少し冷たくなって硬くなった身体だけど、ふわふわの毛は艶も湛えていて、また動き出すのではないかと思うほど、かわらないやわらかい表情できれいな身体だった。でもこれは抜け殻なのだ。と納得させた。魂は別の場所にいるからきっとまた会える。そう強くこころで呟いた。でも、鉄の扉の向こうに入れられるときはやっぱりつらくて、あの瞬間に巻き起こった感情をきっとずっと忘れない。骨もきちんと拾った。うさこが触れられるのを嫌がっていた尻尾の先まで骨があった。猟奇的だけど骨まで愛しく感じた。小さな骨壷に入ったうさこを両手で抱えて帰宅した。骨壷に花を供え、母が淹れてくれた紅茶を飲んでから会社へ向かった。いつもの道の途中にパワーストーンのアクセサリーショップがあり、なんとなくそこに立ち寄ってしまった。店内に入ってすぐ、手前のショーケースに並ぶ薄いピンクのペンダントトップが目に入った。とりあえず一周見て回る。すると店員が話かけてきたので、ペットが亡くなってしまったので、節目としてなにか欲しい、と言っていたら、涙が止まらなくなってしまって、もうどうでもよくて無様にもだらだらと泣いてしまった。しばらくして店員がまた話かけてきて、私物のフラワーエッセンスなのだけど、お嫌でなければどうぞ、と貸してくださった。気持ちを静める効果のあるレメディだった。ほろ苦くて、胸から喉にかけてがすっきりした。そうだ3月の石にしようと思って聞いたら、さっき気になったピンクの石がそうだった。考えたらうさこに似合うピンク色だし、直感を大事にしてそれを購入した。出社すると営業がいなくて、派遣の女子とふたりきり。その子も15歳の犬を飼っているから気持ちはよくわかる。動物も長く一緒に暮らしていたら家族ですよ。と声をかけられ、休みだったお局様にも、今はいっぱい泣いたらいいよ、とメールが届く。そんな人たちに囲まれたことに感謝だな、と思う。そして、我慢せず泣いたらいいのだと思ったら気持ちが楽になった。帰宅し玄関を開けると、最初に目に飛び込むうさこの小屋とエサ入れ。でもそこにはいつもの姿がなくて、また涙が勝手に出てしまう。お風呂に入って湯船からガラスの扉を見る。その扉の向こうに敷いたバスマットの上に座ってお風呂上りを待つうさこの姿がいつもあった。それが日常だった。でも当たり前だけど、もうなくてまた泣いてしまう。呆れるくらい泣きっぱなしで泣かなくなる日が来るのだろうかと不安に感じるほどだった。どれくらい経ったら慣れるのだろう・・・とぼんやりとした頭で考えた。鼻の奥が鈍く痛かった。寝る前、母にうーちゃんは、erieの20代の青春を一緒に過ごしたんやね。2ヶ月しか一緒にいないお母さんでもこんなに辛いんだから、あなたはもっと辛いんだろうね。と言われた。眠れずに布団でぐずぐずしていたら突然母が起き出して、うさこの骨壷を持ってきた。一緒に寝てあげなさい。とerieの布団に入れてくれた。そういえば、うさこと一緒に寝たことなかったな、と思ったらなんだか嬉しい気がして抱きしめて眠った。
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